PianoDandyの紳士倶楽部

このブログはダンディズムに憧れる一人の男の記録である。

『分不相応(ぶんふそうおう)』のススメ

ドラマ『俺のダンディズム』に出会ってから、一流品を
少しずつ買い揃えてきた私は、ある言葉に出会います。

『分不相応(ぶんふそうおう)』

意味:身分に釣り合っていないこと。
           身分に相応しくないこと。


そもそも普通のサラリーマンである私が、一流品を
愛用するというのは分不相応ではないのか。
また、分不相応として笑われているのではないか。

では、いつになったら分不相応でなくなるのか。

 もっと収入が増えたら?
 もう少し年を取ったら?
 会社で昇進したら?
 もっと知性や品格が磨かれたら?

・・・これは難しい問題です。

 

例えば、パテック・フィリップの時計を買おうとしている
20代の新入社員がいたとします。

パテック・フィリップは、腕時計の中でも頂点に位置する
ブランドで、世界各国の王侯貴族や歴史上の人物まで
様々なVIPに愛されています。
その時計は何百万円~億もする超高級品ばかりです。

このような時計を20代の若造が買うなんて言い出したら
「20代でパテック・フィリップなんて、分不相応だ」
と言われることでしょう。

 

では、この若者はパテック・フィリップの時計を
買ってはいけないのでしょうか?

「自分の稼ぎで買うなら何でも買えばいい」というのも
少し乱暴な気がしますが、「買うな!」というのも違うと
思います。

結局、ある物がその人にとって分不相応かどうかなんて、
その人自身が判断するしかないと思うのです。

だから『分不相応』という言葉は、自分を戒めるために
使うのであって、他人を非難するために使うべきでは
ないと思うのです。

そもそも、「お前には分不相応だ」などと言って
攻撃してくる人は、あなたの人生に何の責任も取って
くれませんから。


私の感想としては、20代でパテック・フィリップの時計を
身に着けたいという心意気が素晴らしいと思います。

もし私が、その若者から購入を相談されたなら、

 「パテック・フィリップは、キミにはまだ早いから・・・」

と言いつつ、ひと呼吸置いて、

「大切に使いながら、ふさわしい人間になるように頑張ろう」

このような言葉をサラっと伝えてあげたいですね。

心の中では「20代でパテック?うらやましい~。ムキー」と
思っているので、悟られないよう気を付けます(笑)。


現実的なことを言ってしまうと・・・、
一流品は、少なくとも値段という形で買う人を審査しており、
その金額を出せる人しか買えない仕組みになっています。
ローンで買う場合でもローンの審査がありますからね。
要するに、その物を手に入れられたということは、審査に
合格した証だと思うのです。

一流品の多くはお金があれば買えるものです。
大切なのは、そのブランドの歴史を知り、敬意を払うこと。

そして、今の自分にとって分不相応だとしても、
使いながら自分を高めていくことだと思います。